本日、新成人になられたみなさんおめでとうございます。
晴れて成人となり大人の仲間入りを果たしたみなさんへ
ちょっとだけ先輩のボクから、はなむけの言葉をお送りしたいと思います。
成人といいますが、簡単にいうと満20歳になったということです。
選挙権、飲酒、喫煙、その他の年齢によって制限されていた事が、いろいろ解除になる
年齢です。逆に言うと未成年者ということで守られていたことも解除されます。
少年法で守られていた匿名報道も、20歳を過ぎると実名報道になります。
未成年者は法律的に言うと、少々乱暴な言い方になりますが、『責任を取らなくてもいい人』
な訳です。ですから未成年者が書いた契約書は、基本的には無効なのです。(ちょと違うけど)
では誰が責任を取るのか、というと親です。直接法定代理人である親権者の責任の下で、
みなさんは今で暮らしてきた訳です。
晴れて自由の身になったみなさんは、本日、成人式を迎えられた訳ですが、実際のところ
今日から大人だ!という実感はほとんどないでしょう。そんなものだと思います。ボクもそうでした。
ちなみにボクは成人式に出ていません。これは本人の意思でも都合の話しでもありません。
行政のイタズラによって案内が届きませんでした。19歳の時は東京にいて、20歳の時は広島でした。
東京は満年齢で、広島は数え年で成人式に参加となっているためです。
若干二十歳にして行政から見放された訳です。
成人式と言えば毎年のように騒ぐバカタレがいますが、よく顔にモザイクが掛かっています。
あんなバカは顔を出せばいいんだ!と思う人も多いと思いますが、前出の通り地域によっては
未成年者の場合もあるので、報道としてはモザイクを掛けているのではないかと思います。
無責任者ではなく非責任者なのです。ようするに赤ちゃんと同じ扱いです。
みんなで騒ぐのもある意味権利かもしれません、しかしみんなの邪魔をしていい権利まで彼らは持っていません。
最近TV等で、ファミレスで騒ぐ子どもは○か×かというような事をやっていますが、ボクは原則×だと
思っています。乳飲み子は別として、物事の分別が何となくつくであろう5歳以上の子どもには、公衆の
場での心得を躾けるべきです。何故ならレストランは食事をするところで騒ぐとこではないからです。たとえ
それがファミレスでも、ファーストフードでもです。静かに食事を楽しみたい人の権利を奪う権利まで、
彼らが持っているとは思えません。
こっちは家族連れだから、子ども連れだから仕方がないと思う人たちは、不良中高生が近くのテーブルで
騒いでいる時に、若者なんだから仕方がない、と容認するのだろうか?結局はそういう人たちは、電車に
乗っている時に、自分は疲れているから老人がいても妊婦がいても自分には席に座る権利がある、と考える
人と同じロジックだという気がします。ようするに自分中心で考えるか、俯瞰で物事を見られるかの違いです。
もっと言うと思いやる気持ちがあるかないかです。
欧米化して権利だ義務だと言われるようになって久しいですが、日本独特の道徳観というものを考えて
欲しいと思います。最近、外国の人とちょくちょく会う機会があるのですが、日本人の思いやりの精神は、
どうやら世界最高水準だそうです。
こんなに他人を思いやる国民もいないし、道徳心が根付いている国も珍しいと言われました。
日本には宗教もないのに不思議だとも言っていました。宗教がないというのは、国教がないという
意味です。
アメリカはキリスト教の国ですし、タイは仏教の国です。そして中東はイスラムの国になっていて、
その国の道徳観に多大なる影響を与えています。あえて日本人の根底に何かの宗教観がある
のかと言えば、八百万の神の神道や武士道といったものでしょうか。そんな私たちの国、日本は
『世界に良い影響を与えている国ランキング』で1位になっています。その国の人としての自覚と
自負を持つべきです。
そのためには国内においても海外においても恥ずかしくない行動が必要なのです。
ハワイに行った時、地元の友人が「なぜ日本人は公共の場で子どもが騒いでも親が注意しないのか」と
訊いてきました。ボクは良い理由が見つからなかったので「親がバカだからだよ」と答えたら、「ヤツらは
低所得者なのか?何故そんなヤツがハワイに来られるんだ」と訊くのです。海外では道徳観のレベルは
イコール所得格差だと捉える人がいます。海外では、低所得者の住居地区では窃盗、傷害、強盗、
レイプ等の犯罪が多発し、その地区の住人の多くの道徳観は崩壊しています。
彼らはそれと同等に感じるそうです。そういう道徳観のない人間は、社会で認められない人種の一員
というカテゴライズをするそうです。だからローカルの安い店にはそういう人種が行き、高いレストランには来
ないので、線引きがされるのです。ある意味、日本のファミレスがそういう人種が行くお店だと思うのは、
あまりにも寂し過ぎますし、日本はそんな国ではないと思いたいです。
安いラーメンチェーン店では、もっとひどい状況だと聞きましたが…、
長々と書いたものの、どこがはなむけの言葉なんだと自分でも感じてきました。
こんな偉そうな事を書いていますが、ボクが二十歳の誕生日の時、仲間と六本木で朝まで飲んでいました。
最後のお店では面識もない、大木凡人さんと仲良くなり、お祝いだと言って全部おごって頂きました。
正確には会計に行った時「先ほどお帰りになった隣のお客様が全部お支払になられていますよ」と言われて
分かったのです。その後、ご本人にお会いする機会もなく、お礼も言わずじまいのままです。
この場をお借りして『大木さん、その節はお世話になりました。ありがとうございました。』
その日は結果的に、始発に乗ったもののバイト先の駅で降りて、気が付けば駅のベンチで2時間以上
寝ていたという、成人の風上にも置けないスタートだったのです。
最後に、キリンが調査した結果によると、新成人の86%の人が夢を持っているそうです。
これを聞いて、「日本の若者もやるじゃないか!」と思った次第です。
ある人が言っていました、「夢は諦めなければ、いつか必ず叶うんだ」と。
確かに、野球選手もサッカー選手も宇宙飛行士もレーサーも、ボクは全部諦めてしまいました。
しかもかなり早い段階で、です。ある意味、聞き分けのいい子どもだったのかも知れません。
今この歳になって思う事は、もっとしつこいくらいにバカになってもよかったんじゃないかという事です。
20代の頃はちょっと大人に憧れて、世間を分かった風な感じで闊歩していたような気がします。
今思えば、大いなる勘違い野郎でした。時には勘違いも必要でしょうが、過ぎると命取りになります。
恐らく新成人の多くが15歳までは中途半端な人間だったことでしょう。
だとしたら、ちゃんとした人間になってまだ5年です。
全てはこれからです。
夢は大きく目標は高く持ってください。
高尾山に登ると言って出来なかったら、これは笑われますが、エベレストを目指して失敗しても
誰も笑う人はいません。夢はでっかくBig Bigです。
新成人の皆さんの未来が、幸多き人生であることを心より願っています。
祝