年が明けて早やくも2週間が経とうとしています。
7日が仕事始めだった企業も多いようです。そういうふしだら社会人に取っては、
まだ数日しか経っていないので、「えっ、もう2週間も経ったの!」って感じでしょう。
ざま~みろです。
こちとら2日からじゃんじゃん働いていますから!
結局31日も1日も仕事だったので、もうやけくそです。
そういう恵まれない人には、何かいい事が訪れるものです。神様が見てくれているのです。
昔、祖母と見ていた水戸黄門で、病気がちなお父つぁんと暮らす苦労まみれの娘が、
エンディングではいい感じで幸せになっていましたし、シンデレラだっておしんだってそうです。
みんな幸せになっていきました。
どうやら神様はボクのことも見てくれていたようです。
9日に早速、打ち合わせがあり都内に出向きました。食事をしながらの打ち合わせだった
ので当然のことながらお酒も入り、それなりに気分も上々です。
ご一緒させて頂いた方の中には大先輩もいらっしゃるし、業界で有名な方もいらっしゃいました。
ちなみにこの大先輩のことを、ボクは心の中で勝手に『御大』と呼んでいます。
食事がお開きになり、駅に向かう道すがら、御大から「ちょっと寄っていくかい?」とのお誘い。
ここで「何処にですか?」と訊くのは無粋です。大の大人が『ちょっと寄る』と言えば銀座です。
お正月早々、御大からの粋なプレゼントだと思ったのでした。
ボクは遠慮しがちに「えぇ、電車のある時間でしたら」とお答えして一緒にタクシーで向かったのでした。
ちなみに最終の新幹線は22:47で、東海道の最終が23:54。
1時間もご一緒させて頂ければ十ニ分です。
そのお店は何度か御大に連れて行って頂いた高級クラブで、ザ・ギンザという感じのお店です。
ここは鹿鳴館なのか!というぐらいドレス&ドレスです。
銀座のドレス率は、社交ダンス会場の次に高いんじゃないかと思っています。
その日は仕事始め3日目ということで、お姉さんたちの7割りくらいが和装でした。
髪をアップにし、うなじ全開色気ブリブリのお姉さんたちが、談笑する光景が眩しいです。
ボクの隣に座った京香さん、まぁ~和装が似合うこと似合うこと。
お名前とお召し物が素晴らしいマッチングです。いくらとシャケご飯くらいよく合います。
四十半ばのオッサンに取って、和装とうなじのセットは、田中角栄と公共事業くらい心にズドンと来ます。
楽しい時間はあっという間と思いきや、時計を見たら23:45分。
ガ~~~ン!最終の東海道線も既に間に合いません。
奥さんから「今日は絶対に帰って来るんでしょうね!」と念を押されて出てきた小生。
しかも22時過ぎにも確認の電話が掛かって来ていたのでした。
その時、「大丈夫、大丈夫、最終には間に合うからぁ~」と答えたボク。
でもこの状況で小田原まで帰るのは100%無理。
タクシーなんか使ったら多分3万円以上。どう考えても無理です。
こういう時に男は腹をくくるしかないのです。
御大が「大丈夫なの?」と気を使われたので、
「何の問題もありません。わはははぁ~」と豪快に笑い飛ばしたのでした。
ボクはすぐさまビジネスホテルに宿を取り、御大とお姉さん3名とアフターに突入。
泊まると決めたら、遊ばにゃ損損!
そしてアフター&アフターで、ホテルに入ったのは3時くらいだったと思います。
倒れこむようにベッドで寝たのですが、朝方、あまりの寒さに目が覚めました。
暖房を付けずに寝たので、部屋の温度が10度くらいになっていました。
ホテルは暖房ありきの寝具なので、言えば毛布1枚です。それで室温10度。
あやうく遭難するところでした。
それ以上に寒かったのは、翌日奥さんに電話した時です。
「あんた、バカじゃないの!時計の見方も知らないの?」
ボクは心の中で「ボクはバカじゃないよ、時計の見方も、電車の乗り方も知ってるよ」
と思ったのですが、もし声に出して言ったら大事件になることはバカでも分かります。
しばらく甘んじて叱責を受けたのでした。
有楽町駅に向かう途中、数寄屋橋のビルを抜ける風が、妙に冷たく感じた1月の朝でした。